ギフテッドって知ってる?

こんにちは,精神科医 神楽坂です.
ギフテッドという言葉を聞かれたことはありますでしょうか.

もし聞かれたことがあるかたは,天才というイメージを持たれているかもしれませんし,不登校のイメージを持たれているかたもいるかもしれません.
これはどちらもある意味間違いではないのです.

ポテンシャルの高い彼らは,その類まれなる素質から天才のように扱われることもしばしばですが,彼ら特有の悩みを抱えることも多いのです.
本人も周りも気付けないパターンすら多く,才能が活かされずに一生を終えるパターンもあるのです.

もう少し詳しくお話していきましょう.

先にお伝えしておきますと,統一された厳密で明快な定義はありません.

ただしどんなタイプの人なのか,ある程度の傾向はあります.
具体例は別記事にまとめてみましたのでご覧ください.

全米ギフテッド協会でも示されている,「ポテンシャルはあるが,従来の教育では発揮できない者(超訳)」といったような定義は,具体性には欠けるものの,重要なポイントは抑えられていると思います.
(サポートすべきは従来の教育の合っていない者でしょ,というのは利に適った対象の絞り方だと思います)

または「諸刃の剣」という表現もしっくりくるものです.
具体例にも示したように,考え方が独特で集団から浮いてしまい,孤独になりがちです.
完璧主義によって自分へのハードルも高まり,自信喪失や低い自己肯定感に繋がったりもします.
他にも様々な苦労があるのです.

あるいは「才能の種」という言い方もより適切です.
種なので開花している必要はないのです.
逆に言うと,本人も周囲もその種に気付くことすらない場合も多いのです.
上記の通り,自己肯定感が低いことが多いので尚更気付きにくいです.

「十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人」ということわざなどは,実はギフテッドのことを示していたのかもしれません.
賢い分勉強する習慣が小さい頃に身につかず,大きくなってから苦労します.
勉強する意味なども考えてしまうので余計勉強が進まなくなります.

まとめると,大まかに「ポテンシャルはあるが,従来の教育では発揮できない者」「諸刃の剣」「才能の種」「十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人」といった人がギフテッドということになります(具体例はこちら).

こういったかたたちが十分に能力を発揮できる社会になれば,世の中もどれだけ良くなることでしょう.

非定型発達(アスペルガーやADHDなどのいわゆる発達障害)と似ている部分もあったりしますが,詳しい違いなどはまた別の機会にお話できたらと思います.

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