【もしもに備える】ADHDの子どもと被災したら…?

こちらの記事は古く、現在の当団体の方針とは大きく異なる内容である可能性が高いですのでご注意ください。
熊本での地震を受け、もしものときを想定する機会も増えた方も多いかもしれませんね。 

今回のテーマは「ADHDの子どもと避難に備える」です。 
Doctors Meでも何度か取り上げている"子どものADHD"について『もしも』にどう備えるのか、基本的な考え方や想定を医師に聞きました。

Q.ADHDの子どもを持つ家族が、避難をするときに特別準備しておくものはありますか。

ADHDを含む発達障害の子供さんをお持ちのご家族の場合も、一般的に言われている防災グッズは必要です。 

一般的な緊急避難グッズに加えて、本人の混乱を最小限に抑えるために本人が落ち着く物品を準備しておくとよいでしょう。(本人が気に入っている本や人形などどんなものでもいいですが、できれば小さく軽いものがいいです。) 

また、大勢の人と同じ場所で過ごすことが苦手なお子さんが多いです。 
本人の場所であるという仕切りや目印になるようなもの(例えば小さなレジャーシートのようなもの)も入れておくといいですね。

Q.ADHDの子どもを持つ家族が、避難に備えて日頃から行っておくことはありますか。

何かあった時に取るべき行動を、あらかじめ本人と話し合っておくとよいと思います。 
このとき大切なことは、怖がらせないようにすること、指示をできるだけシンプルにすることです。(地震があったら○○に逃げる、など) 

また、ご本人に物事を伝えたり、接するためにはコツがあると思います。可能であれば、家族や近所の方など身近な方複数でそのコツを共有・把握しておくといいですね。

Q.ADHDの子どもと避難することになった場合、何をどのように気をつけたらいいでしょうか。

まずは、発達障害のお子さんはわかりやすく何をすべきか具体的に伝えることが大切です。 
普段と異なる状態にパニックになってしまう可能性が高いため、ご本人にできるだけ恐怖や混乱を与えないように、具体的な指示をすると伝わりやすいです。 

よくない例:「早く逃げないと」 
よい例  :「今から○○に行きますよ」 

具体的な指示をするほうが、発達障害の方には伝わりやすいです。 

大きな災害が起こったときに、落ち着いて行動することは誰にとっても非常に難しいことです。 
しかし本人が信頼している家族の方が取り乱してしまうと、お子さんは取るべき行動が取れなかったりする場合もあります。注意しましょう。 

また、発達障害は目に見える障害ではありません。 
避難所などで多くの方と過ごすことになった場合、必要に応じて周囲の方にも発達障害があることや特別な対応が必要なことを伝えておくといいです。 部屋の隅やテントの中など、本人が一人で安全と感じられる場所を可能であれば確保してもらうことも重要です。

Q.ADHDの子どもと余震が続く日々を過ごす場合、何をどのように気をつけたらいいでしょうか。

余震が続くと、どうしても地震のニュースなどをつけっぱなしにしがちです。 

ADHDなど発達障害をお持ちのお子さんの中には、刺激の強い映像やニュースにストレスやショックを受けて日常の行動もままならなくなる方もいます。できるだけ刺激の強い情報からは避けるようにするといいです。 

また、本人の周囲の安全を確保するために、周囲のものの配置を見直すことも大切です。 
例えば自宅や親戚宅となる場所がどこか建物の中にあるのなら、避難の時に目印を貼っておくのもよいでしょう。 

それ以外は、できるだけ今までの生活のルーティンを変えないようにします。それが本人の落ち着きにつながります。

最後に医師からアドバイス

ADHDなどの発達障害は、目に見えないものです。 
特有の症状が「わがまま」ととられたり、しつけが悪いと誤解されたりして本人も家族もつらい思いをすることがあるかもしれません。 

災害での避難生活は、誰もがストレスを強く感じる状況です。 
状況によっては、なおさら誤解に基づいた偏見を感じることがあるかと思います。まずは避難に必要なものや対応を行政などのまとめ役に伝えておくことで、状況の改善もできると思います。 

まずは必要な避難グッズや想定をして、「もしも」に備えておきましょう。 

(監修:Doctors Me医師)

 

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