《広汎性発達障害》3つの特徴と代表的な2つの疾患について

こちらの記事は古く、現在の当団体の方針とは大きく異なる内容である可能性が高いですのでご注意ください。

今回の内容はギフテッドのことではありませんが、ギフテッドが持つ特徴に似た部分もあります。
このような症状に心当たりのある方は参考までご覧ください。

広汎性発達障害という言葉を聞いたことがありますか? 自閉症やアスペルガー症候群が有名ですが、まだまだ理解が広がっているとは言えません。

今回は広汎性発達障害の特徴と、代表的なものをとりあげてみたいと思います。

要チェック項目

□広汎性発達障害は人口の1%程度に見られる
□広汎性発達障害には自閉症やアスペルガー症候群などがある
□広汎性発達障害は育て方や本人のやる気のなさが原因ではない


広汎性発達障害とは何でしょう?

概要

広汎性発達障害は、社会性の発達やコミュニケーション能力に障害があり、物事に強いこだわりを見せるといった特徴がある発達障害の一種です。

アスペルガー症候群や自閉症などがよく知られています。重度の場合には知的障害をともなうこともあるそうです。広義の広汎性発達障害は、人口の1%程度に見られるということです。

原因

広汎性発達障害の原因についてはいまだによく分かっていないというのが実状です。遺伝や染色体の異常などが関わっているのではないかと言われています。

広汎性発達障害のお子さんを持つ親御さんはついつい「自分の育て方が悪かったのではないか」とか、自分を責めてしまいがちですが、育児の仕方やしつけによって広汎性発達障害になることはありません。

また、本人に意欲がないからでもありません。脳の機能障害のため、やる気でなんとかなる問題ではありません。


発達障害の特徴その1:コミュニケーション障害


コミュニケーション障害はその名の通り、上手に人と意思のやり取りが出来ないことを言います。

ジョークや皮肉、言い回しなどが理解出来ないので言葉通りに受け取ったり、相手の意向を汲むことなく、その場には相応しくない発言をしたりします。

また、相手がいったことをオウム返ししたり、独り言を繰り返すようなこともあります。言葉の成長が遅かったり、抑揚のないしゃべり方をすることもあります。


発達障害の特徴その2:社会性の障害

社会性の障害とは、人とかかわる際に、普通とは違った行動がみられることを言います。大きく分けると以下の4つのタイプに分類されます。

受動型

自分から積極的に周囲の人間の輪の中に入って行こうとはしないものの、他人から何らかのアプローチをされることに関しては嫌がることなく受け入れます。

社会性の障害の中でも最も問題行動が見られないタイプで、言われたことにも素直に従います。

ただ、自分が嫌なことにまで素直に従ってしまうため、キャパシティを超えた場合にはパニックになってしまうことがあります。

孤立型

周りの人間に対しての関心が見られず、まるで他人がそこにいないかのような振る舞いをします。名前を呼ばれても反応することがなく、すれ違ったりしてもなんの反応も示しません。

人に対する同情心の見られず、基本的に無表情です。自分がなにかをしてほしい時には、「クレーン現象」といって、相手の手を持って自分のしてほしいことをさせようとする現象が見られます。

積極・奇異型

知的が高い高機能自閉症の場合やアスペルガー症候群の場合によく見られるタイプで、自ら積極的に他人に関わろうとはするのですが、その関わり方が自分本位で一方通行なことが多いという特徴があります。

自分の興味があることを延々と話し続けたり、同じ話を何度も繰り返したりします。

形式ばったタイプ

自分のこだわりが強く、人との付き合い方も絶対に自分流のやり方で押し通そうとします。成人期以降に現れるタイプの社会性の障害で、親に対してまで堅苦しい態度でふるまいます。

成人期以降に発症するので礼儀は正しいのですが、臨機応変に物事に対処するのは苦手です。


発達障害の特徴その3:こだわりが強い・感覚が敏感(鈍感)

こだわりが強い

自閉症の児童などによく見られる現象ですが、必ず同じルートを通って登下校したり、漢字の書き順が独特だったり、興味のある物事に異常に集中して没頭したりします。

自分のルールを邪魔されることを極端に嫌がり、時によってはパニックを起こしたりします。

感覚が敏感(鈍感)

人がたくさんいてにぎやかな場所では手で耳を覆ってしまったり、その場にいられないほど不安になったりします。雷の音など、突然大きな音がするのも苦手で、異常に怖がったりします。

また、特定の臭いや光が苦手だったり、衣服の肌触りを嫌がったりもします。

感覚が鈍感な場合には、痛みに気すかずにケガをしてしまっていたり、味覚の鈍麻により、腐ったものでも食べてしまったりといったことが見られます。

広汎性発達障害の代表的な疾患

アスペルガー症候群

「知的障害のない自閉症」などと言われることのある、会話の能力はあるものの社会性やコミュニケーション、想像力に障害のありるタイプの発達障害です。

自閉症

自閉症は先天性の障害であり、症状の程度もさまざまで、中には健常者との区別がつかないような人もいます。だいたい3歳ころまでには、自閉症の兆候がハッキリとしてくるということです。

広汎性発達障害には周囲の理解が必要です

広汎性発達障害にはまだまだ偏見や誤解が残っているのが現状です。

広汎性発達障害には周囲の理解や支援が欠かせないので、少しずつでも学んでいきたいものですね。

(監修:Doctors Me 医師)

 

 

自閉症スペクトグラムとギフテッドの違いについては、また別の記事で説明いたします。

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